劇画人間革命(34)
生命力を強くして、人生を楽しみきれるようになっていただきたい。
折伏ができるようになったのは生命力が強くなったからだ! これは生命力が強くなければできない。
楽しめといわれたところで、はつらつたる元気と生命力なくしては、楽しむこともできない。
皆さんも生命力を強くして人生を楽しみきれるようになっていただきたい、それが戸田の願いです。
過酷な獄中生活とこの十年間の無理が、戸田の身体を蝕んでいた。
戸田は目標への確かな手応えと同時に、自己の生涯もまた、確実に終末へと近づきつつあることを感じていた――だが、「まだ、私は死ねない!」 苦労というものは、次から次へとよく続くものだ。
これまでも何とか解決してきたが、これからも苦しんでは解決していくだろう。
それが信心の力であり、信心の証明なのだ。
今の私には、それしか信じられないが、それだけで十分と思っている。
ビキニ島原爆実験で、日本人23名が被爆したと報じられた。
「アインシュタイン博士などの世界の科学者たちが、原子戦争で人類は滅亡すると警告しているにもかかわらず、世界の指導者たちは、この危険な兵器の開発をやめようとしない。
――ユネスコ憲章にも“戦争は人の心の中で生まれるものだから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない”と謳いあげている。
だが、この移ろいやすい心、神にもなれば悪魔にもなる……」「人生は諦めてはいけません。
あくなき挑戦――その中にこそ真の人生の勝利があります。
ところが残念なことに、人は何度か挫折すると、もうオレはダメだと諦め、人生なんてこんなものだと思い込んでしまう。
そこに必要なのは、まだ負けるものか、まだ自分はやれる、と挑戦する勇気なのです」 力強い発言の一方、山本伸一の身体にも病魔が襲いかかっていた。
「今がボクにとって最高最大の試練の時に違いない! 負けるものか!!」戸田と山本は、戸田の故郷である北海道厚田村を訪れた。
そして師匠は弟子に向かって、こう語った。
「僕は日本の広宣流布の磐石な礎をつくる。
君は世界の広宣流布の道を開くんだ。
構想だけは僕がつくっておこう。
世界は広い。
そこには苦悩にあえぐ民衆がいる。
まだ戦火に怯える子供たちもいる。
東洋に、そして世界に妙法の灯をともしていくんだ。
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